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2018/10/19

磨かれ、輝きを放つ原石たち―女子駅伝部 Vol.1

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“永久不滅の大会記録で2連覇”を

杜の都駅伝は来年からコースの変更が予定されている

毎年秋に宮城県仙台市で開催される「全日本大学女子駅伝対校選手権大会」、通称「杜の都駅伝」。大学女子駅伝の日本一を競う大会が、今年も10月28日に迫っている。bbin宝盈,bbin宝盈app女子駅伝部は昨年、この大会で12年ぶりの優勝を飾った。そして今年、掲げる目標は「永久不滅の大会記録で2連覇」。2019年からコース変更が予定されており、もし今回、現在のコースでの最高記録を出せれば、それは永久不滅のものとなる。
ただ勝つのではなく、向かうのはさらに高い目標。挑戦者として、守りではなく攻めの駅伝を――。
「この1年、色々あったけどもう大丈夫。夏の合宿で基礎はできた。後は自然に体が動く状況を作るだけ」と、米田勝朗監督がつぶやいた。

※大学女子駅伝のチームにとって年間最大の目標のひとつが「全日本大学女子駅伝対校選手権大会」。第36回大会の今年は仙台市の弘進ゴムアスリートパーク仙台~仙台市役所前市民広場の6区間、38.0kmを走る。また、そのすぐ後の12月には「富士山女子駅伝」が控えている。

選手を信じて自主性を重視

選手を信頼して送り出す米田監督

女子駅伝部は、米田監督がbbin宝盈,bbin宝盈appに赴任した翌年の1995年に、1年生2人で創部。徹底した管理体制の厳しい指導のもと2005年、「全日本大学女子駅伝対校選手権大会」で初優勝する。
「ゼロスタートだった最初は全てが手探りで、まずはレベルを上げるために徹底した管理が必要だった」と当時を振り返る監督。そうして結果を出したわけだが、その後、選手の自主性を重視する方針に転換を図る。それは「世界の舞台で、日の丸を背負って走れる選手を育てたい」という強い思いからだった。
「初めのやり方を続けていれば大きく順位を落とすことはなかっただろう。でもトップアスリートは生まれない。自制と自由は紙一重で、リスクも大きい。けれど自分自身で足りないものに気づいて向き合うことでこそ、本当の強い選手が生まれると考えた。選手の人生は卒業後も続いていく。駅伝優勝は通過点であり、ずっと先を見ていかなければいけないと気付いた」。
しかし、一時は7位まで順位を落とし、葛藤の時期を送る。選手を信じて歩んだ困難な道。そして実に12 年後の2017 年、手にした再びの優勝。
「これまでやってきたことが間違いではなかったと確信できた。ただ、選手たちが自分自身の競技を極めるところまで達していたかには疑問も残り、足りないものを積み上げたのがこの1年だった」。

  • 最後の走りとなる4年生(左から青木、松浦、玉城)
  • ランニングコーチとしてチームを支える北本さん

何のために走るのか?

チームには、2020年の東京五輪をはじめ、国際競技会での活躍が期待できる次世代の競技者を強化育成する「ダイヤモンドアスリート」に2014~18年と連続で選ばれ、6月の日本陸上競技選手権1500mで優勝した髙松智美ムセンビ選手(1年)や、和田有菜選手(1年)、加世田梨花選手(2年)ら、陸上界の注目を集める選手が増えている。
そうした状況がもたらすチーム内の空気の変化に対し、米田監督が言うのは「強いからできるんじゃない、ちゃんとやるから強いんだ」ということ。
「何のために走るのか、自分で考えてほしい。だから最近は“我慢”という言葉を使わないようにしている。厳しい練習は、今より高いレベルに行きたいなら当たり前のものと捉えてほしいから」。
そのうえで、レースに挑む直前には「楽しんで来い」と送り出している。
「レースを楽しむことこそが、強くなるための究極のクスリ。またレースへ、その場所に戻りたいと思えることがモチベーションを上げ、レベルを上げていく」。

  • より高みへ誰一人手を抜くものは居ない
  • 陸上界からの注目を集める選手が加わった

高め合う仲間がいる

目指すは全日本と富士山の2冠

自主性重視の方針のもと、選手たちは自分自身で考えて1日を組み立てる。大学の授業もあるため、練習に使えるのは朝と夕方の数時間。その限られた時間をどう使うかは、自分たち次第だ。

選手たちは寮で一緒に生活しており、まさに寝食を共にする環境。
2階建ての寮は1階が食堂などの共用スペースで、2階が各自の部屋や浴室など。エントランスにはトレーニングマシンがどんと構え、マットが敷かれ、朝に夕に、ペアを組んでストレッチする姿も見られる。

「全日本まで、あと?日」。壁に貼られた手作りのカウントダウン表。ホワイトボードには今週の目標。その横には掃除当番の担当表が。可愛い文字や☆マークなどに、女子大生の素顔がチラリと垣間見える。

また、月予定には誕生日の選手やスタッフの名前が書きこまれている。バースデーは必ず、みんなで祝うのが伝統だ。大きな家族のような雰囲気の中で、自然に切磋琢磨し、高め合い、支え合う関係が生まれている。例えば朝、1時間早く起きてストレッチをすることでケガをしにくい身体をつくるのも、先輩の姿を後輩が見て、自ずとそうするようになったという。

支える人たち

チームの成績が上がり、優勝を手にできたのは周りの応援、支援も大きいという。そのひとつが「食」だ。
グラウンドで練習中の夕方、寮の食堂で忙しく食事の支度をする学生たちがいる。名古屋学芸大学の管理栄養学部の学生が夕食を作りに来ているのだ。しかも毎日。
現場を経験することで本当の管理栄養士を育てたいという考えと、いいパフォーマンスには食が極めて重要という部の考えが一致し、この体制が実現して今年で10年目。今や女子駅伝部には欠かせない大きな力となっている。

  • 食事提供で女子駅伝部を応援してくれる名古屋学芸大学南ゼミの皆さん
  • 選手の食欲を誘う盛り付けにも気を配る

ご飯は玄米。揚げないコロッケ。数種の野菜を和えたサラダ……栄養バランスを考え抜いたメニュー。しかもかなりおいしそうだ。
一皿ずつ量が異なるのは、一人ひとりの状態や目標に合わせ、念密なカロリー計算のもとで調整しているから。カロリーを抑えても満足感を得られるよう、手間暇がかけられ、工夫が施されている。監督はしみじみと言う。「チーム名城は色んな人に支えられている。その恩返しには、精一杯の力を出し、結果を出すしかない」

  • 一つひとつ考えられ丁寧に作られたアスリート用の食事
  • 体重の管理を考えグラム単位で調整

全員がひとつになって走る

チームの柱になるのは、今年が最後になる4年生たちだ。その声を聞いてみた。

女子駅伝部にコーチとして入部して3年目の北本隼ランニングコーチは、「コンディションができ上がってきている選手たちの心の面をサポートできれば。女性選手は大抵、迷っても自分の中に答えを持っていることが徐々にわかりました。練習中にポロリと出る本音を拾い、背中を押すのが自分の役割」と頼もしい。

昨年秋まで選手だった早乙女晴香マネージャーは、朝6時からの練習に合わせ、4時半に起きて20人分の朝食を作るなど、メンバーを全方面から支える。「最後の年にどうしても優勝したくて、最もチームの力になれることを考えてマネージャーに立候補しました。みんなで一緒に戦いたいと思います」。

昨年4区を走った松浦佳南選手は、「あの時、私は途中で抜かれてしまい、結果は優勝できたものの自分では不完全燃焼だった。そのリベンジをしたいと思います。また、最後となる大会に悔いを残さず、チームを盛り立てられるような走りをできたら」と成長ぶりを見せる。

「メリハリをつけながら、楽しむ時は楽しむのもこのチームのいい所。チームワークはピカイチです」と胸を張るのは、昨年アンカーでゴールテープを切った副キャプテンの玉城かんな選手。そして表情を引き締めてこう言った。「目標は甘くはないけど、やってきたことを信じ、力を出し切るだけ」。

昨年1区を走り、その後キャプテンとなった青木和選手は、チームをまとめつつ自分の走りも極めようとしている。「駅伝に憧れてbbin宝盈,bbin宝盈appへ入学しました。その悔いを残したくない。皆同じ思いでは。いま一人ひとりが自分のやるべきことをやって、いい練習が積めています。このチームで日本一を取りたい。名城大初の2連覇を成し遂げたい」と熱く語った。

「全日本大学女子駅伝対校選手権大会」は6区間で、実際に出場できる部員は19人のうちの6人だけだ。だが、誰もが異口同音で言う。「チーム全員で一緒に走ります」。

グラウンドを走る彼女たちの目は、ゴールの瞬間を見ている。駅伝への思い、仲間との絆、支えてくれる人への感謝、「永久不滅の大会記録で2 連覇」というチーム目標を胸に。