DOUBLE ANNUAL 2023「反応微熱ーーこれからを?きるちからーー」/アシスタントキュレーター?千田真尋(文化財保存修復学科2年)
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#DOUBLE ANNUAL#イベント#在学生2023年2月25日(土)から3月5日(日)まで、東京?国立新美術館において 学生選抜展 DOUBLE ANNUAL 2023 『反応微熱――これからを生きるちから――』が開催されます。
今回の本展は、7月にキックオフミーティングが行われDOUBLE ANNUALという企画が始動した時から最終目的に据えてきた重要な展示です。
DOUBLE ANNUALは昨年12月に京都芸術大学と東北芸術工科大学(以下、芸工大)の2カ所でプレビュー展が同時期に開催されました。このプレビュー展を経て作品をブラッシュアップさせていくのがDOUBLE ANNUALの醍醐味であり、プレビュー展と今回の本展では展示の雰囲気が大きく変わることが予想されます。
その理由は、大学の展示室と国立新美術館の展示環境が大きく異なるからです。国立新美術館の展示室は天井高が5mあり、芸工大の展示会場THE TOPよりも広い空間となっております。そのため、大学で行なったプレビュー展と同じ展示方法では、鑑賞しづらくなったり作品が小さく見えて迫力が半減してしまったりということが考えられます。他にも、大学の展示室と国立新美術館では展示室内でできることなどのレギュレーションが異なり、大学でしていたことがそのまま美術館では行えない、というケースも考えられるため、本展では国立新美術館の環境に合わせた展示プランを考える必要があるのです。
また本展では、展示室での作品への照明の当て方や照明の色温度までも調節できるため、1月に行われた本展に向けた打ち合わせでは、特に展示計画や展示方法、照明に関する確認が重点的に行われていました。
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今回は、各出展作品の展示がプレビュー展から本展へとどのように変わっていくかという点に注目して見てみたいと思います。
[ 鈴木藤成 ]
鈴木さんは前回プレビュー展で、ブルーシートを用いて風景と文章を組み合わせるという特徴的な画面を持つ作品《僕と鬼の云々》を展示しました。本展では、さらに関連した文脈を持つ絵画作品を追加する予定です。プレビュー展からさらに作品の物語が広がることが予想されます。
[ 高橋侑子 ]
高橋さんの絵画群《ミラクル》も、プレビュー展で展示したものの他に、さらに新しく制作された大規模な絵画作品が加わる予定です。本展では、展示スペースの壁面に沿って作品が設置されるため、日常の中に散在する「ミラクル」に囲まれるような展示となりそうです。
[ 添田賢刀 ]
添田さんの展示《アルムダプッタ》は、絵画作品を増やし、プレビュー展の展示がさらにブラッシュアップされる予定です。絵画?陶芸?テキスト?空間作りと鑑賞者に見せるものが多いため、テキストは「どのような冊子にすれば読みやすいか」「どのように手に取ってもらうか」、また作品が小説「利休にたずねよ」からインスピレーションを得ており展示空間が茶室をイメージしたものであるため、「どのように鑑賞者に滞在してもらうか」などを模索しているように感じました。
[ tag ]
tagは、プレビュー展にて新老虎机平台,最新老虎机の流行によって感じた消費に関する疑問を表現した、マスクによって製作された衣服《MAFUK》を展示しました。本展では、展示する衣服の数をさらに増やし、ファストファッション?ハイブランド?tagのオリジナルブランドという3つのジャンルの《MAFUK》を展示する予定です。
tagは初期の計画から展示の仕方にもこだわっており、プレビュー展での展示のように、「ファストファッションの展示ではポスターを含めたディスプレイで照明は明るいものを全体的に使う」、また「ハイブランドの展示ではスポットライトを用いて高級感のある空間を作る」というように一つの展示スペースの中でも作品に合わせた展示空間を作り出すことに注力しているように感じました。
[ 卍会プラス ]
日本と韓国の差異について思考する卍会プラスの展示《??/活動》は、グループとしての活動の記録を発表するという形であるため、プレビュー展では絵画、映像の他に活動の中で使用したプリントやコンテなどの資料なども展示の一要素として掲示していました。しかし、本展の展示プランを考えるにあたって、国立新美術館での展示スペースが広いことによりこれらの資料は内容が見づらくなるなどの懸念が出たため、広いスペースで展示をどのように見せるかを重点に置いて準備を進めているように見えました。
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また、本展では京都芸術大学と芸工大両校からの作品が交互に展示されている点も、それぞれの大学で行なった前回のプレビュー展と大きく違う点 だと言えると思います。
京都芸術大学からは、6つの作品が出展されます。
DOUBLE ANNUALの作品制作のテーマ「抗体?アジール※?ミラクル」が作家それぞれにどのように解釈されたのか、テーマの広がりが今まで以上に味わえる展示 となると思います。
是非、足をお運びください。
※アジール:世俗的な権力の及ばない「避難所」。
(文:文化財保存修復学科2年 千田真尋)
Information
姉妹校の京都芸術大学が、2017年度から2021年度まで開催してきた学生選抜展「KUA ANNUAL」が、今年度から国立新美術館に会場を移し、本学からも学生選抜を行い開催します。
新たに『DOUBLE ANNUAL』と名称を変えて開催する本展では、総合ディレクターに片岡真実(森美術館館長)を迎え、インディペンデント?キュレーターである金澤韻と服部浩之の共同キュレーション体制のもと、11組16名の学生が展覧会をつくりあげます。全学部生と大学院生を対象に募集?選抜を行い、キュレーターの提示したテーマに応答する形で、キュレーターから制作指導を受け、対話を続けながら展覧会をつくり上げる実践的な芸術教育プログラムです。
京都と山形という二つの異なる地点から「アートになにができるのか」を問いかけます。DOUBLE ANNUAL 2023「反応微熱ーーこれからを生きるちからーー」
2023年2月25日(土)~3月5日(日)10:00~18:00 ※休館日2月28日(火)
会場:国立新美術館3F 展示室3A(東京都港区六本木7丁目22-2)
主催:京都芸術大学
協力:東北芸術工科大学
展覧会公式サイト:https://www.kyoto-art.ac.jp/doubleannual2023/
東北芸術工科大学 広報担当
TEL:023-627-2246(内線 2246)
E-mail:public@aga.tuad.ac.jp
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