[優秀賞]
江川琴乃|SIWA IRO / シワに着目した表現研究
山形県出身
堀内芳明ゼミ
素材を丸めたり揉んだりしてつくシワは、独特な表情を持っています。シワがつきやすくなるロウ引き加工を施した素材、シワの色、レーザー加工機を使用した実験から新しいシワの表現を研究し、プロダクトを制作しました。
堀内芳明 准教授 評
江川さんの研究は、シワの表現方法に特化し、シワを生み出す動作の設定、強弱の調整、色味の表現までを具現化するための素材検討と表現方法の探究を行った点が特筆されます。
紙を中心とした様々な素材をしわくちゃにし、理想とする素材と表現方法を見出す実験を繰り返しました。その中で、紙に透明性、防水性、耐久性などの機能を付与する「蝋引き加工」に着目しました。
蝋引き加工は、熱で溶かした蝋を紙に染み込ませる加工方法です。紙に蝋を染み込ませることで、透明性が増し、特にシワがついた箇所はより鮮明になります。
さらに、下に敷いた色を透かしてシワに色味を変化させることが発見されました。
この発見から、色の異なる2枚の蝋引き紙を重ね合わせる江川さん独自のシワ表現手法が確立されました。
江川さんは、確立した手法を用いて、日常使いを想定したプロダクト群を制作しました。
実直に研究に取り組む姿勢は模範となる学生であり、優秀賞に相応しい取り組みと評価します。
受賞おめでとうございます!